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硬式野球部

【硬式野球部】秋季千葉県大会 一回戦

投稿日2026/9/24

志学館硬式野球部ファンの皆様、こんにちは。
先の予選会で二つの鮮やかな勝利を収めた志学館硬式野球部は、秋の気配が少しずつ混じり始めた風とともに秋季県大会へと駒を進め、9月22日にゼットエーボールパークにて八千代高校さんと対戦しました。

八千代高校さんは県立高校では珍しい体育科を有し、様々なスポーツにおいて輝かしい実績を誇る学校です。グラウンドでの野球部さんの様子をうかがうだけでも、弾けるような活気に溢れています。(平成初期に学生時代を過ごした筆者にとっては、『ドラゴンボール』の人造人間18号のクールな声を担当された声優・伊藤美紀さんの母校であるという、どこか特別な響きを持つ印象があります。)

さて、この試合の前のことです。
ご存じの通り、台風25号は関東地方を中心に、まるで巨大な理不尽の塊のように甚大な被害をもたらしました。そして我々の野球場もまた、その容赦のない猛威にさらされることになったのです。試合当日の朝、選手たちは、見慣れたはずの場所がすっかり姿を変えてしまった無残な光景を目の当たりにしました。

球児たちにとって、グラウンドは単なる「球場」という物理的な空間ではありません。それは日々の鍛錬を通じて魂のやりとりをする、静謐な「道場」のような場所なのです。40年という長い歳月の中で、歴代の選手たちが流した汗と、静かに置いていった心が宿る場所。その大切な「聖地」の痛々しい姿を見た彼らの胸の奥に落ちたショックの深さは、到底計り知れるものではありません。

「こんなときこそ真価が問われる。試合に勝つことだけに集中しよう。」
出発前、久保山監督から熱を帯びた檄が飛びました。そのまっすぐな言葉を心の底の引き出しにしっかりと仕舞い込み、選手たちはこの試合に挑みます。

さぁ、プレイボールです。秋の澄んだ空気に、試合開始のサイレンが静かに吸い込まれていきます。

初回、志学館の攻撃。
この日初めてスタメンに名を連ねた1年生の星野君が、鮮やかなヒットを放ちます。

しかし、彼をホームに迎え入れることはできず、スコアボードにはゼロが刻まれました。

マウンドに上がるのは、この試合から重みのある真新しいエースナンバーを背負うことになった安川君です。

ランナーを背負う場面はありましたが、要所をきっちりと締め、ホームを踏ませません。

2回以降は息の詰まる展開が続きました。
両チームともに毎回のようにランナーを出してはチャンスをつくるものの、両先発ピッチャーの踏ん張りの前に、得点にはいたりません。

6回を終えて0対0。ヒリヒリとするような静寂が、グラウンドを包み込んでいました。

均衡が破れたのは、7回表のことでした。
この日は代打で途中登場した髙濱君が鋭いヒットで出塁し、手堅い犠打でチャンスを広げます。

そしてグラウンドに落ちた見えないプレッシャーが相手のミスを誘い、ランナーが生還。喉から手が出るほど欲しかった先制の1点でした。

しかし、直後の7回裏、八千代高校さんの打線が見事に繋がり、あっという間に2点を奪われ、スコアをひっくり返されてしまったのです。

完全に流れを持っていかれたか —— 重苦しい暗雲がベンチを覆いかけました。
しかし8回表、そんな重たい空気を吹き飛ばしたのは、星野君と紺野君という1年生コンビの瑞々しい連打でした。彼らの思い切りの良さが相手に重圧を与え、再びミスを誘って見事に同点に追いつきます。

そこから加藤木君、田村君が、きっちりと犠牲フライを打ち上げ、4対2。鮮やかな逆転劇でした。

そして9回表、これまで溜め込んでいたエネルギーの栓がとうとう抜けたように、打線が爆発します。次々と快音を響かせ、一挙に5点を奪うビッグイニングとなりました。

先発の安川君は、9回1アウトまで2失点という、実に粘り強いピッチングでしっかりと試合の輪郭を描き出しました。

最後のマウンドを託されたのは1年生の大塚君。
打者2人を完璧なストレートと変化球で封じ込め、静かに試合を締めくくりました。

序盤の息の詰まるような均衡から一転、終盤の猛攻と投手陣の好投が噛み合い、結果として9対2での勝利を掴み取ることができたのです。

 

そして、試合後のミーティング。

スコアボードに並んだ数字だけを眺めれば、それは間違いなく「快勝」と呼べるものでした。しかし、久保山監督の目は、数字という結果の向こう側にある、本質的なものを見据えていました。

試合後に選手たちへ語りかけられたのは、バッティングの角度だとか投球のフォームといった表面的な技術論ではありませんでした。それはもっと深く、静かな、野球というものにいかに真剣に向き合うかという精神の在り方についてだったのです。

 ・練習の最初のワンプレイから真剣に臨むこと
 ・誰かに与えられたものをこなすだけの「受け身の練習」ではなく、自ら「やってやろうじゃないか!」という攻めの姿勢を持つこと
 ・自分のプレイだけでなく、声で、態度で、チーム全体に熱を感染させていくこと

それらの言葉は、彼らがなぜバットを振り、ボールを追いかけているのかという、高校球児としての最も純粋な「原点」に立ち返るための、大切な道標なのです。

このチームに集まった彼らには、とてもシンプルで、だからこそ強靭な共通項があります。「野球が好きであること」、そして「ここ、志学館のグラウンドで野球がしたい」という気持ち。 そのまっすぐな原点と、野球とチームを愛する純粋な心さえ失わなければ、彼らはこれから先も、きっとどこまでも深く、大きく成長していくはずです。

ひたむきに白球を追い続ける彼らの若い姿が、困難な時を過ごすすべての人々の心に、小さくとも決して消えることのない、温かな灯りをもたらしてくれますように。

さて、物語はまだ終わりません。次なる二回戦の舞台が、深まりゆく秋の空気とともに静かに選手たちを待っています。彼らはまた真新しい土を踏み、自分たちの信じる野球を、ひとつひとつ丁寧に積み上げていくことでしょう。
それでは皆様、球場でまたお会いしましょう。

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